阪神が中継ぎ補強に乗り出すことが9日、分かった。この日、中日高橋聡文投手(32)が球団にFA行使の申請書類を提出。10年に63試合登板を果たすなど通算401試合に登板した実績のある快速左腕は、チームの補強ポイントに合致する。移籍への決意を確かめられれば、交渉が解禁になり次第、アタックする方針だという。

 今季のリリーフ陣は安藤、福原、呉昇桓という必勝方程式が軸だったが、左投手は主に高宮1人という状況。金本新監督も1日から4日まで指揮した安芸秋季キャンプで左のリリーフ候補島本への期待感を示すなど、このポジションへの懸念をにじませていた。球団幹部は、この日「うちの補強ポイントであることは確かです」と話し、高橋聡取りへ前向きな姿勢を示した。

 また、今日10日に行われるトライアウトでもリリーフ投手、また、ソフトバンクを自由契約になった白根尚貴内野手(22)らに注目して担当者が視察予定だという。

 高橋聡については交渉解禁日が12日となる。球団関係者によれば金本監督の直接出馬については未定だが、新監督は今オフ、獲得に乗り出している藤川に対しても直接会談して、お互いの心境を確かめるなど“対話”を重視しているだけに、新戦力候補については顔を突き合わせる可能性もゼロではなさそうだ。

 ◆高橋聡文(たかはし・あきふみ)1983年(昭58)5月29日、福井県高浜町生まれ。富山・高岡第一では2年春にセンバツ出場し初戦敗退。01年ドラフト8巡目で中日入団。10年はセットアッパーとして自己最多63試合に投げ、リーグ優勝に貢献。176センチ、85キロ。左投げ左打ち。