ポスティングシステムを利用した大リーグ挑戦を希望している広島前田健太投手(27)が23日、マツダスタジアムで行われたファン感謝デーに参加した。背番号18には、3万2500人が集まったスタンドから大きな歓声が飛び、広島残留を望む声も飛んだ。今日24日にも球団との話し合いがもたれ、メジャーへの思いを訴える。また進退を明かしていない黒田博樹投手(40)は、自宅のある米ロサンゼルスで休養中で、参加しなかった。

 3万人を超えるスタンドからは拍手と歓声とともに「行かないで~」や「来年も残って~」などの声も飛んだ。熱いファンの思いを受けながら、前田はファン感謝デーでいつものマエケンスマイルを振りまいた。

 トークショーでは中田らと後輩の中崎をいじり倒し、企画ではラグビーのゴールキックにも挑戦。最後となるかもしれない「カープファン」との触れ合いの時間を「いつも通り」楽しんだ。

 イベントの終盤に、マイクを握った。選手がプロデュースしたメニューを競う「C1グランプリ」で1位に輝いた。ファンに向けて「今シーズンも1年間、たくさんの声援を送っていただきありがとうございました。今日のファン感謝デーにこれだけたくさんの方に来ていただいてうれしいです」と感謝を口にした。

 13年オフの契約更改の席で、近い将来の米大リーグ挑戦希望を公言。昨オフは球団が「機運」の高まりに欠けると判断したが、今季は15勝で最多勝を獲得し、2度目の沢村賞も受賞した。成績だけでなく、エースとしての立ち居振る舞いも評価されている。「プレミア12」にも侍ジャパンのエース格として参加。これまで口を閉ざしてきた去就について、イベント終了後に説明した。

 前田 日程調整というものではなく、時間が合えば。早くしないといけないというわけではないですが、いつまでも時間があるわけでもないので。(球団と)話してみてから。会って自分の思いをしっかり伝えたい。

 早ければ今日24日にも、球団とメジャー移籍を含めた話し合いの場を持つことになる。鈴木球団本部長も「いつでも会って話はできる。そんなに引っ張る話でもない」とした。広島残留か、ポスティングによるメジャー挑戦か。いよいよ交渉が本格化する。