プロ野球セ・パ両リーグは24日、記者投票によって選ばれるベストナインを発表した。阪神鳥谷敬内野手(34)はセ・リーグの遊撃部門で3年連続選出され、藤田平に並ぶ球団2位の遊撃手6度目受賞となった。

 “常連”と言っても過言ではない。虎のチームリーダーが、今年もまたベストナインの栄誉に輝いた。球団納会のために大阪市内のホテルを訪れた鳥谷は「ありがとうございます」と笑顔。「選手としてこういう賞をもらえることは、本当にありがたいこと」と、穏やかな口調で喜びをかみしめた。

 今季も当たり前のように全143試合に出場し、フルイニング出場。打率2割8分1厘、42打点、6本塁打をマークした。得票数では2位の巨人坂本に112票の大差をつけてぶっちぎりの受賞。堅実な守備も含め、今年もまた「セ界NO・1遊撃手」であることを示した。

 虎のレジェンドにまた1歩、近づいた。ベストナイン6度受賞は、藤田平に並んで球団では2位となった。セ・リーグでも歴代2位タイにあたる受賞数。1位はプロ野球最多9度を誇る吉田義男。プロの世界では継続することがもっとも評価される。それを知っている背番号1は「連続してもらえているので、これを続けていけるようにやっていきたい」としっかりと前を見据えた。

 今季は6月21日のヤクルト戦で背中に死球を受けるアクシデントもあったが、この日も「シーズンいろんなことがある。それがどうってことはない」とサラリと言った。何事もなかったように、最前線に立ち続ける頼もしい姿。復帰会見を開いた藤川とともに、来季もチームの精神的支柱であることは間違いない。【桝井聡】

 ▼鳥谷が遊撃手として6度目のベストナイン。藤田平と並び、同ポジション受賞回数では球団2位となった。なおチーム最多は、吉田義男の9度(プロ野球遊撃部門最多)。