3年ぶりに阪神復帰した藤川球児投手(35=四国IL・高知)が27日、鳴尾浜球場で3日連続となる自主トレに励んだ。正午を過ぎても気温は10度前後。吹きすさぶ寒風にも笑顔を絶やさず、当然のようにボールを手に取った。選手会ゴルフが行われた関係で人けのないグラウンド。西口副寮長を相手に約30メートルまで距離を延ばし、10分間キャッチボールを続けた。

 「またアメリカに戻らないといけないし、年内(日本に)いれる時間は限られているので。今投げる必要はないんですけどね。せっかくトレーニングをしていて、グラウンドも使えるということなので」

 日米通算222セーブ。圧倒的な実績を誇る藤川にとって、12月は必ずしもボールを握る必要はない時期といえる。それでも投げる。肉体が万全である証拠だ。「まだストレッチの段階。投げる作業にも入っていない」と説明したが、首脳陣が期待する先発転向へ頼もしい動きが続く。

 日本プロ野球界を離れた3年の間に、ヤクルト山田を筆頭に新しい強打者が誕生した。「今は自分の状態が大事。(他球団のことは)キャンプインしてから聞いてください」と笑顔でサラリ。ウエートトレーニングにも時間を費やし、5時間滞在して鳴尾浜を後にした。「前倒しトレ」はすこぶる順調だ。【佐井陽介】