未実現の珍公約が復権へのモチベーションとなる。日本ハム武田勝投手(37)が8日、来季こそ、お立ち台でオカリナ演奏することを誓った。仰天パフォーマンスのプランは、13年オフに応援大使として訪れた上ノ国町でプレゼントされたのがきっかけ。その後のラジオの公開生放送で実行を宣言も、いまだ実現せず。「自分の思った以上に、みんな期待してくれている」。今オフもファンからベテラン左腕が奏でる“勝利の音色”を待ちこがれる声を聞いたという。

 ふがいない状況を発奮材料に変えた。「ヒーローインタビューで思いつきのメロディーを奏でたい」と、2年越しの悲願を目標の1つに定めた。ここ2年間で札幌ドームのお立ち台に上がったのは2度。14年5月3日オリックス戦。5度目の先発でシーズン初勝利を挙げた試合では、オカリナの存在を「忘れてたよ」。今季も腕前を披露する機会は巡らず、一時期は「オカリナ・イップス状態」に陥ったという。1億1000万円から4000万円プラス出来高払いへの年俸ダウンも受け入れて臨む来季へ、ファンとの約束に再び向き合う覚悟を決めた。

 パフォーマンス実施には結果も求められる。この日は2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレ。体調に不安なく、順調な日々を過ごすからこそファンサービスへ思考も巡る。「去年の応援大使で西興部村から頂いた『木工の犬のおもちゃ』や今年の浦臼町から頂いた『臼子ねぇさん缶バッジ』も披露したい。記録より記憶に残りたいので」。覇権奪回につながる投球を取り戻せば、抱く野望は来季、必ず現実となるはずだ。【木下大輔】