DeNA国吉佑樹投手(24)が異国の地で単身修業を敢行する。今オフも3年連続となるタイ自主トレを行うが、加賀らと合同だった昨オフまでとは違う。独りで海を渡り、1月8日から約2週間を過ごす。「雨も少ないし暖かい。目いっぱい時間を有効利用できる」と気候面での利点を生かし、みっちりとトレーニングに励む。

 ハングリー精神を思い起こすには抜群の条件がそろっている。練習環境は整備されていない部分が多く「まずは自分たちでブルペンをつくってからになる」と言うように、“自作ブルペン”が練習の第1歩になる。今季は中継ぎで28試合に登板し、防御率2・43だったが、来季は先発転向を志願。より厳しいチーム内競争を勝ち抜くべく、自ら厳しい環境に身を置くことを決めた。

 同時に野球伝道師としての志も持つ。北九州市大で監督を務める徳永政夫氏(59)が、前回のWBC予選でタイ代表チームの指揮を執るなど日本野球との関わりが強い。国吉も休養日を利用して野球教室を開催する予定で「子どもたちも待っているし、自分ができることで役に立ちたい」。育成選手から1軍マウンドまで上り詰めた国吉がタイで心身ともに鍛え直す。【為田聡史】