阪神ドラフト2位坂本誠志郎(22=明大)が、その頭脳を勉学でも発揮した。前日13日に提出した卒業論文で、黒人差別を受けながらも米メジャーで活躍したジャッキー・ロビンソン氏を題材にした映画「42-世界を変えた男-」について考察研究。2万字(400字詰め原稿用紙50枚)以上にわたるリポートにまとめ上げたことを明かした。

 「取りかかるまでは遅いんですけど、取りかかる決心がついてからは早かったですね」

 さすがは大学一の頭脳派捕手だ。昨秋の東京6大学リーグ戦終了後から本格的に取りかかると、ドラフト指名後の忙しい日々の合間を縫いながら、持ち前の集中力であっという間に卒論を仕上げきったという。卒論を制作していくに当たって感じたこと。それは野球が当たり前に出来る喜びだった。

 「何十年か前までは黒人が差別を受けてて一緒に野球が出来なかった。今は普通に野球が出来ていますし、短い期間の中で野球界がすごく発展している。純粋に素直に野球が出来ることは恵まれたことなんだなと感じました」

 積み重ねた歴史の重み。プロの世界で戦う覚悟と責任感をあらためて胸に刻んだ。【梶本長之】