オリックスのドラフト2位、近藤大亮投手(24)が魔球「ラビットボール」を初披露した。17日、ほっともっと神戸での新人合同自主トレで2度目のブルペン入り。初めて交えた変化球の中に、ストンと落ちる球筋があった。受けた育成2位赤松幸輔捕手(23=四国IL・香川)も捕るのが精いっぱいだった。その正体は…。

 「パームですね。カウント球にも勝負球にも使える。揺れて落ちる感じ」。握りは元巨人の江川卓の「ラビットボール」と同じだ。立てた人さし指と中指がウサギに見えることから命名された。近藤も「じゃあ僕のもラビットボールですね」と笑った。球界でパームの使い手は少ない。

 実は父譲り。小6の時、初めて覚えた変化球だった。「小学校では変化球が禁止だったので、父親にスローボールを教えてもらった。それがこの球。あとからパームだと知りました」。父康仁さん(52)も、近藤と同じ大阪・浪速高で投手だった。

 「父親に初めて教えてもらった球なので極めたい」。起用プランは未定だが、酒井投手コーチは先発候補の1人としている。開幕1軍、そして新人王を目標に掲げる即戦力右腕。最速151キロの直球が魅力だが、“魔球”も大きな武器となりそうだ。【大池和幸】

 ◆近藤大亮(こんどう・たいすけ)1991年(平3)5月29日、堺市生まれ。小3年から新浅香山ニュースターズで軟式野球を始める。中学時代のオール住之江の監督が、広島黒田の父一博さん。浪速から大商大。パナソニックでは日本選手権4強。50メートル5秒9、遠投120メートルと高い身体能力を誇る。177センチ、75キロ。右投げ右打ち。