DeNAが、マット・マクブライド捕手(アスレチックス傘下3A=30)を獲得に向け、本格交渉に乗り出すことが25日、分かった。マクブライドは昨年11月のプレミア12に米国代表外野手として出場。首位打者&ベストナインを獲得した強打者で、日本戦では巨人菅野から本塁打もマークした。12球団ワーストのチーム打率2割2分3厘と、得点力不足でリーグ最下位に沈む状況を打破すべく、補強に動きだす。

 DeNAが「世界ベストナイン」獲得に照準を定めた。ここまで最下位に沈む現状に高田GMは「とにかく打てる選手。シーズンのこの先を見据えても層を厚くすることは当然、必要になってくる」と外国人打者の補強を示唆していた。水面下での調査を続け、白羽の矢を立てたのがマクブライドだった。右打ちの強打者で、昨年11月の国際大会プレミア12では準決勝終了時点で打率5割2分6厘をマーク。同大会の首位打者として米国の準優勝に大きく貢献した。

 マイナー通算打率2割9分9厘と、高いアベレージを残しつつも、114本塁打の長打力も併せ持つ。現状、チームの外国人野手は一塁ロペスと右翼ロマックの2選手。ロマックは日本野球への適応に苦戦しているが、改善の方向には向かっている。ただ、前半戦を首位ターンして最下位に沈んだ昨季の教訓から、夏場以降の戦いも見据えた戦力補強は必須と判断。今回の補強は池田球団社長が強調する「勝つ」ことを最大テーマとして臨む、今季にかける球団の本気度が表れている。

 24試合を消化したこの日の時点では、7勝15敗2分けでリーグ最下位に沈む。開幕ダッシュ失敗の要因は得点力不足に尽きる。投手陣はチーム防御率3・13とリーグ2位と健闘している。一方でチーム打率は12球団ワーストの2割2分3厘。補強ポイントは明確となっている。さらに、球団は開幕後に積極的かつ的確な補強を敢行してきた。日本ハムから金銭トレードで藤岡、昨季広島に所属していたザガースキーを獲得しブルペンに厚みを持たせた。

 補強第3弾はメジャー経験を持つ右の強打者。近年は主に外野と一塁での出場が多く、今季は捕手としてプレーしている。獲得となればDeNAでは外野手として起用する見込みだが、「第3の捕手」にもなり得る。勝つための切り札として、マクブライド側と本格交渉に入る。

 ◆マット・マクブライド 1985年5月23日、米ペンシルベニア州生まれ。リーハイ大から06年ドラフト2巡目(全体75位)でインディアンスに捕手として入団。11年ロッキーズに移籍し翌12年に初昇格。メジャーでは外野と一塁を守り通算72試合に出場。昨季終了後FAとなりアスレチックスとマイナー契約。昨年のプレミア12米国代表で大会首位打者とベストナインに輝いた。3A通算337試合で打率3割1分6厘、50本塁打、233打点。191センチ、98キロ。右投げ右打ち。