首位ソフトバンクが2年ぶりの7連勝を飾った。

山川穂高内野手(32)と柳田悠岐外野手(35)が今季初のアベックアーチ。0-0の2回に山川がリーグ単独トップの6号決勝ソロを放つと、柳田は5回に2試合連発の3号ソロをかっ飛ばした。主軸2人の号砲で今季最多14安打で8得点の快勝。4月終了時点で貯金12は69年ぶり球団2位の歴史的記録となった。

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前日までは3試合連続のサヨナラ勝利。プロ野球記録に並ぶ劇勝を繰り広げたソフトバンクが、この日は今季最多14安打で8得点の大勝だ。22年以来2年ぶりの7連勝。本拠地が「みずほペイペイドーム福岡」に改称されてからは4戦4勝と波に乗る。ベンチの雰囲気を問われた小久保裕紀監督(52)は「悪いはずがないです」とご機嫌だった。

主役が打てば勢いがつく。小久保監督も「そらそうでしょ」と即答した。山川と柳田が今季初のアベック弾。山川は両軍無得点の2回、楽天ポンセの3球目カットボールを左中間スタンドに運んだ。「完璧にとらえることができました」。リーグ単独トップの6号が決勝ソロ。打点29は依然断トツで、FA加入した4番が期待通りの打撃2冠に位置する。

チームの顔も続いた。柳田は3-0の5回先頭、2試合連発となる3号ソロを右中間スタンド中段まで運んだ。前日29日の西武戦では、2点差の9回裏に逆転サヨナラ3ラン。勢いそのままにこの日も打球速度180キロ、飛距離130メートルの特大アーチを放った。「いいスイングができました。効果的な追加点を取ることができて良かったです」。山川が本塁打を放った2回は4安打3得点、柳田が放った5回には5安打5得点。大砲2人が打線に火をつけ、王貞治球団会長兼特別チームアドバイザーも「ね! ホームランが出だすと乗って来るからね。今日で26試合か。これで(アベック弾は)どんどん出だすよ」と興奮気味に話した。

歴史的な開幕ダッシュになった。3、4月の試合を終えて18勝6敗2分。4月終了時点で貯金12は、貯金14だった55年以来69年ぶりで球団歴代2位。福岡移転の1989年以降は最多だ。新生小久保ホークスが順調すぎる滑り出し。指揮官は「投手陣の踏ん張りと主力選手の活躍。クリーンアップを含め、レギュラーの選手がしっかり仕事をしている。若い選手の台頭もありますけども」と勝因を語った。しかし、まだ143試合のうちの26試合が終わったばかり。小久保監督は「先は長いです」と再度表情を締めた。【只松憲】

▼ソフトバンクは4月を18勝6敗2分けの貯金12で終えた。同じ時期では、南海時代の55年貯金14(19勝5敗)に次ぎ球団2位の快ペースだ。この年の南海が稼いだ99勝は、現在もプロ野球年間最多記録として残る。今季のソフトバンクはどこまで迫るか。

○…近藤が19年9月7日のオリックス戦(札幌ドーム)以来5年ぶりとなる4安打の固め打ちで勝利に貢献した。2回、山川の先制ソロの直後に右前打。さらに2点を追加する足掛かりをつくると、3回には中前打、5回にもチャンス拡大の中前打。6回には左前にうまく流し打って打率を3割1分9厘に引き上げた。「昨日(4打数無安打)、感じよくない中で出てくれてよかったなあと思います。しっかり振った球を前に飛ばすということを意識した」と納得の表情だった。

○…三森が今季初安打を含む3安打3打点の活躍をみせた。9番二塁で先発出場。2回2死二塁から右前へタイムリーを放つと、4回にも右前打、5回には1死二、三塁から右翼線へ2点適時二塁打だ。「何とか1本を打ちたいと思っていたのでよかった。まわりはすごい人がいるので食らいついて行きたい」。右人さし指骨折で戦列を離れていたが、復帰3戦目でしっかり結果を出した。

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