プロ野球巨人の野球賭博問題で、警視庁は29日、賭け金を集金するなど賭博の胴元の手助けをしたとして、賭博開帳図利ほう助の疑いで、元巨人の投手で飲食店経営笠原将生(しょうき)容疑者(25)を逮捕した。組織犯罪対策4課によると、笠原容疑者は容疑を認めているという。組対4課は同日、笠原容疑者が関わった賭博の胴元で自称無職斉藤聡容疑者(38)を賭博開帳図利の疑いで逮捕した。昨年10月に発覚した巨人の野球賭博問題は、ついに刑事事件に発展した。

 斉藤容疑者が賭博開帳図利、笠原容疑者が同ほう助の疑いで逮捕されたことで、今後の捜査の焦点は、斉藤容疑者の背後に暴力団関係者がいないか、資金が流れていなかったかなど背後関係と野球賭博の実態解明に移る。元兵庫県警刑事の飛松五男氏は「野球賭博はハンデ師があって初めて成り立ち、100%暴力団が絡んでいる。斉藤容疑者は中胴で後ろに本当の胴元がいる、その構図は警視庁は分かっているはずだ。あとは裏付けがどれだけ取れるかだ」と話す。野球賭博は暴力団の米びつだけに裏取りも難しいという。

 逮捕のタイミングが開幕から1カ月のこの時期となったことについては飛松氏は「両容疑者は任意の聴取で自供しており、いつでも逮捕できた。しかし、開幕前に逮捕したら、今季のプロ野球はアウトだった。やらなければ世間も黙っていない。日本野球機構(NPB)の調査、自己申告期間が26日で終わるのを待っての逮捕だったのだろう」と推測する。