勝利の方程式復活だ!! 2点ビハインドの終盤から投入した広島ブレイディン・ヘーゲンズ投手(27)が、無安打投球、さらにジェイ・ジャクソン投手(28)、中崎翔太投手(23)がともに3人でピシャリの完全投球で、荒れた展開の試合の流れを引き寄せた。休養十分の両外国人投手と頼もしさが増した若き守護神の奮闘が、今季初のサヨナラ勝利をもたらした。

 延長10回劇的なサヨナラ劇を呼び込んだのは、間違いなく中継ぎ陣の踏ん張りだった。アウトを積み重ねる投球が、攻撃のリズムに変わった。ビハインドが2点に広がった6回2死一塁。土俵際に追い込まれたチームを、休養十分の火消しトリオが好救援で打線に力を与えた。

 まずはマウンドに上がったヘーゲンズが6回のピンチを切り抜けると、8回はジャクソンが、9回は中崎がそれぞれ3人でピシャリと料理した。

 先週6試合、抑え中崎以外の両外国人はフル回転した。ジャクソンは3連投を含む5試合に登板し、ヘーゲンズも3連投など4試合に投げた。しかし、ともに4失点と精彩を欠いた。44試合目で21試合登板となったジャクソンは「これほどのペースで登板したことはない」と吐露したこともあった。異国の野球で、連投を辞さない役割への適応にも苦しんでいる。

 それでもブルペンで6、7球で肩を作るジャクソンは、日本に馴染もうと懸命だ。米国にいる2匹の愛犬ランボー、タイソンのおもちゃだった馬のぬいぐるみを持ち歩き、連投の癒やしとしている。ヘーゲンズも婚約者と広島での生活を楽しんでいる。

 生活の安定に加え、休養日が2日以上与えられれば、問題なし。ヘーゲンズは持ち味の打者の手元で動く球を駆使し、ジャクソンは力で押した。守護神中崎は6試合連続無失点投球で、チームに安心感を与えた。

 ビッグレッドマシンガン打線は好調を維持している。荒れた試合の流れを引き寄せる火消しトリオの復活は、上位争いの大きな後ろ盾となる。【前原淳】