バレンティンが「ノーアーチ」宣言だ。ヤクルトは21日、神宮室内練習場で1軍の全体練習。リーグ戦再開の24日中日戦に向けて、バレンティンは「本塁打は狙わない。打率3割、100打点が目標。チームバッティングで勝利に貢献したい」と言い切った。打率2割8分6厘、49打点、本塁打も15発を記録するが、1発の欲を捨てると宣言した。

 前を打つ3番川端、4番山田をホームにかえすことだけに集中する。山田は23本、55打点でリーグトップ。川端もリーグ2位の87安打と安定感を示す。13年に60本塁打のプロ野球記録を樹立したバレンティンだが、「自分はチャンスメークするだけ。次の打者に回す」と、最下位に沈むチームを縁の下から支えるつもりだ。

 不安視されたコンディションは、回復傾向にある。17日の西武戦で、走塁中に左大腿(だいたい)筋を痛めた。18、19日の同戦は先発を回避したが、「24日までには大丈夫」とアピール。リーグ戦初戦は「5番左翼」でのスタメンが濃厚だ。最近、覚えた日本語は「ゴマスリ」。進塁打、犠飛も進んで受け入れる“ゴマスリ”精神で、チームを“出世”させる。【栗田尚樹】