敗戦の中、阪神中谷が一矢を報いるプロ初アーチを放った。4点を追う7回だ。無死一塁から好投を続ける広島岡田が2ボールから投げたカット気味の真っすぐを強振。左越えに痛烈な1発を放り込んだ。

 「切れないでくれ、と思っていました。カウントから真っすぐが来ると思っていた。こっち(広島)に来てから自分のスイングができてると思います。勝ちにつなげたいです」

 24日はプロ初猛打賞。2日連続でうれしい「初体験」だがチームは連敗。自身も2回に悪送球するなど手放しでは喜べない状況だ。

 福岡工大城東から入団し、6年目。長距離砲として期待され、2年目の12年はフレッシュ球宴でMVPに選出されるなどブレーク寸前までいったが13、14年は1軍出場がなく、輝きが続かない。それでも今季は昇格してから17打数8安打、打率4割7分1厘と好調だ。

 「今は調子がいいんだろう。それが落ちてきたときに、どう把握するか。不調を長引かせないのがレギュラーへの道だから」。金本監督もそう話した。経験を生かして江越、横田ら伸び悩む外野手候補の中から抜け出したいところだ。【編集委員・高原寿夫】