不振だった主砲が打ったのに…。日本ハムはオリックスに競り負け、大型連勝は15で止まった。中田翔内野手(27)が5回、一時逆転となる14号2ラン。18試合ぶりの本塁打は通算150号のメモリアル弾となったが、7回に決勝点を奪われた。プロ野球史上51年ぶりの16連勝はならず、首位ソフトバンクとのゲーム差は6に広がった。

 歴史的な快進撃は、皮肉な結末を迎えた。中田が抜けたトンネルの先に“終着点”があった。プロ通算150本塁打のメモリアルな日に、連勝が15でストップした。「自分が1本打った、打たないはどうでもいい。ホームランの次の打席でも、しっかりものにできていれば勝てた試合。余計に悔しい」。同点の7回2死二、三塁では三塁ゴロ。喜びの感情は消えていた。

 チームにとって、強烈な上げ潮になるはずだった。1点を追う5回2死一塁。フルカウントから、オリックス西の145キロシュートを右中間へはじき返した。6月15日DeNA戦以来、71打席ぶりにゆっくりとダイヤモンドを一周した。「久しぶりに振り抜けた」。大型連勝中、ひとりスランプに陥っていた中田の逆転2ラン。ハイタッチで迎えるベンチに、安堵(あんど)が広がった。

 再逆転を許しても、快挙の足音は近くに感じられていた。8回の守備では、左翼西川が二塁からホームを狙ったオリックス鈴木昂を補殺した。最終9回も2死一、三塁と最後まで攻めた。栗山監督は「内容的には悪いゲームじゃない。僕の能力がないだけ」。リセットにはなったが、ベンチ裏に漂う空気は変わっていない。

 今日13日が球宴前最後の一戦。指揮官は「何度も言ってきているけど、(連勝が)止まってからが大事。1つ1つしっかりと頑張ります」。主砲の復調はむしろ、今後への明るい材料。中田は力を込めた。「しっかりと勝ってオールスターに行きたい。(今日13日は)意地でも勝ちたい」。真価が問われるのは、ここからの戦い方だ。【本間翼】

 ▼通算150本塁打=中田(日本ハム) 12日のオリックス11回戦(京セラドーム大阪)の5回、西から今季14号を放って達成。プロ野球163人目。初本塁打は10年7月20日のロッテ14回戦(札幌ドーム)で大嶺から。

 ▼日本ハムが敗れ、6月19日中日戦から続けていた連勝は15でストップした。相手は最下位のオリックス。15連勝以上したのは今回の日本ハムで9チーム目だが、このうち最下位チームに連勝を止められたのは60年に18連勝した大毎が当時最下位の近鉄に敗れて以来2度目。