中日伊藤準規投手(25)が、感謝の思いで4年ぶりの白星を挙げた。今季2度目の先発で5回1/3を1失点の好投を見せ、12年9月22日の阪神戦以来となる通算5勝目を挙げた。試合後には「この勝利を挙げるまでに本当に多くの人に支えていただいた。その方に感謝を言いたいです」。得点を挙げてくれた野手、リードを守ってくれたリリーフ陣にも「感謝したい」と、同じ言葉を繰り返した。

 端正な顔に、自信なさげな様子は一切見えない。「ファームから上がってきて、このチャンスに自分のやってきたことを全力で出すだけだった。その気持ちで投げました」。5回先頭の福留に中前打されるまで無安打投球。最速150キロの直球とカウント不利でも変化球で勝負した。5回2死満塁では藤浪をスライダーで見逃しにしとめた。

 入団時から背番号18と大きな期待を背負った。中日の高卒新人では43年ぶり。イケメンでもあり人気を博したが、右肘の故障などで結果を残せず、14年から65に変更。新背番号では初勝利だった。「18は結果で取り返したい」。18が刺しゅうされた当時のグラブは自宅に保管してある。見るたびに燃える。落合GMには「結果を出せば、次は好きな番号を選ばせてやる」と言われている。

 春先、上げた左足を1度内側に入れる投法に変え、格段にフォームが安定した。体重移動がスムーズになり、バランスも直球の威力も向上。長年の課題だったフォームばかり気にする悪癖がなくなった。チームは単独4位に浮上。伊藤がローテに固定されれば、巻き返しの大きな武器になる。【柏原誠】