ソフトバンクが4発攻撃で首位をキープした。16安打14得点でロッテに大勝。1回に先制打、2回はチーム3点目と適時打を重ねた柳田悠岐外野手(27)が、3回にプロ初の3試合連発となる16号3ランを放った。前日の4打点に続き5打点を挙げれば、内川、松田、中村晃にも1発が飛び出した。

 前日の再現VTRを見ているような序盤からの猛攻だ。3回のバックスクリーン左へアーチをかけた柳田は「いいスイングができた。手応えもあった。(役割は)すごく感じます。いやです(笑い)。きついですけど、すごくやりがいがある。逃げるのは簡単」と3番打者の仕事を果たし、コメントにも力を込めた。

 個人記録より優勝への思いが強い。柳田は今季ここまで16本塁打、21盗塁。残り27試合となり、昨年のトリプルスリーを上回る成績は現実的に厳しい。昨年、ともに快挙を達成したヤクルト山田は2年連続の達成が目前。柳田は「普通にすごいですよ。やっぱ天才じゃないですか? 俺は天才じゃない」と笑うが、それ以上にチームの3連覇という目標が、大きなモチベーションになっている。

 工藤監督も「見ていても、今までと違う。力みがない」と柳田の復調を認め、打線にも「手応えはある。大事なのは、これを維持すること。どんな投手が出てきても、崩せるようにしたい」と期待を寄せた。本来の強さを取り戻せば、もう、首位の座は簡単には明け渡さない。【福岡吉央】