DeNAがCSファイナルステージ第4戦で広島に敗れ、敗退が決まった。初回に6点のリードを奪われたが、最後は1点差にまで迫る、驚異の粘りを発揮。アレックス・ラミレス監督(42)は「最初に大量失点をし、負けるのであればこういう試合。しかし、選手たちは最後までよく戦い抜いてくれた」と評した。

 1点を追う9回2死一塁。筒香が打席に入った。1発が出れば逆転という場面。カウント0-2から広島中崎の147キロ直球にバットは空を切った。「力不足です。打てなかった現実を受け止める」と言い訳はしなかった。レギュラーシーズンで44本塁打、110打点で“2冠”の主砲は同シリーズ4戦でわずか1安打。打率6分3厘のどん底を味わい「もっと野球がうまくなれるように、いいオフを過ごしたい」と悔しさをのみこんだ。

 就任1年目の新人監督の下、開幕から5月中旬までは苦戦が続いた。最大借金は11まで膨らみ、レースの最後尾にとどまった。5月に最長の6連勝が1度あったが、地道にカード勝ち越しを積み重ねて上位との差を詰めた。最終的に借金2の3位でフィニッシュし、球団初のCS進出にこぎつけた。ラミレス監督は「誰も期待、想像していなかったところまでたどり着けた。そして、CSでプレーできた経験は選手たちを成長させた。来季、願わくばホームでCSを戦いたい」と来季を見据えた。

 開幕戦から150試合。2016年シーズンの終戦と同時に手応えと収穫が大いに残った。【為田聡史】