ドラフト1位候補の明大・柳裕也投手(4年=横浜)が、延長12回を投げ毎回の20奪三振で早大に先勝した。20日のドラフトを前に、日米10球団のスカウトの前で圧巻の3安打完投。全勝優勝した96年秋以来の開幕7連勝を飾った。今日、明大が連勝し立大が負ければ春に続く39回目の優勝が決まる。

 気迫の149球だった。3-1の延長12回裏、柳は異変を感じた。「両足がつって、どうしようかと思いましたが(12回表に)チームメートが勝ち越してくれた。マウンドを降りるわけにはいかなかった」。4番木田に1-2から133キロ直球を投じた。狙い通りの空振りで20個目の三振を奪うと雄たけびを上げた。

 3安打1四球で完投し、2回1死からは、6者連続で空振り三振を奪った。直球はもちろん、自慢のカーブもさえ、カットボールの曲げ幅を微妙に変化させ幻惑した。「空振りの仕方や見逃した後の表情で投げ方を変えています」とドクターKぶりを発揮した。

 20日のドラフトを前に、日米10球団のスカウトの前で先発全員から三振を奪う快投。リーグ通算奪三振数を321に伸ばし、OBで元中日の川上憲伸を一気に抜き歴代11位につけた。1位候補に挙げる中日石井スカウトは「勝たなければいけない試合でこういう投球ができる。競合するのではないか」と再度評価した。

 柳は、同じく1位候補の創価大・田中、桜美林大・佐々木と親交が深い。「刺激になっています」と高め合う。好投に導かれたチームは、全勝優勝した96年秋以来の開幕7連勝。今日2連勝し立大が負ければ春秋連覇だ。「(スカウトには)チームのために投げている姿を見て評価してほしいです。明日も一丸となってやっていきたい」と言い切った。【和田美保】