キャプテン制を廃止し、ドリームチームで世界一を目指す。侍ジャパン小久保裕紀監督(45)は18日、メキシコ、オランダと計4試合対戦する強化試合(11月10~13日、東京ドーム)の代表メンバー28人を発表した。日本ハム大谷翔平投手(22)は、DHまたは代打として打者に専念。DeNA筒香、日本ハム中田らとクリーンアップを組む可能性もありそうだ。初出場8人のフレッシュなメンバーで、世界一奪還を目指す来春WBCの前哨戦に挑む。

 初出場は投手6人に対して、野手は大野、鈴木の2人だった。筒香、中田、坂本、山田、柳田…、主力の顔触れは変わらず、小久保監督は楽天嶋に任せていたキャプテン制廃止を決断した。

 「メンバーを見ても、ある程度常連というか、侍ジャパンというチームができてきているので、1人を名指ししなくても大丈夫だという判断です。嶋を含め、内川、元気印の松田、この辺りが今まで通りやってくれればいいと思います」

 固定しつつあるメンバーに、新たに野手として加わるのが、大谷だ。来春WBCは投打二刀流に挑む方針のため、11月の強化試合は打者として国際舞台に挑むステップになる。

 打者大谷は、今季のレギュラーシーズンで打率3割2分2厘、22本塁打、67打点と堂々の成績を残した。打順について、小久保監督は「決めていません。DHに入れるメンバーがたくさんいるので、これから考えていきます」と明言は避けたが、シーズン中から打撃力は高く評価。打線については「ポイントになるのは1番、3番。誰を置くかはコーチ陣としっかり決めていきたいと思います」と言った。

 大谷が日本ハムで慣れ親しんでいる「3番DH」で先発すれば、筒香、中田らと組む強力クリーンアップが完成する。今春の強化試合は4番に筒香、中田を併用したが、小久保監督は「4番は現時点では決めていない」と言った。2年ぶりに復帰した内川、新戦力の「神ってる」鈴木、守備の名手菊池らの状態を見極めながら、常連組との組み合わせなど、4試合でさまざまなオプションを試していくことになりそうだ。【前田祐輔】