巨人が「多摩川グラウンド」を再現し、若手育成の一大拠点を作る。24日、川崎市のジャイアンツ球場に隣接する東京・稲城市に土地を取得し、ファーム専用球場を新設することを発表した。4万1900平方メートルで現球場および関連施設の約1・2倍にあたる。現球場からは徒歩で約10分という。

 新ファーム球場は天然芝でテラス席などを備え、商業施設も併設し「TOKYO GIANTS TOWN(仮称)」とする構想だ。久保社長は「選手の育成と強化に取り組む場であるとともに、地域の方々が集い、野球を楽しんでもらう場所にしたい」とコメントした。

 今季から設置された3軍はグラウンド使用機会の確保で遠征も増えた。新球場完成後、現球場は主に3軍のグラウンドとして使用される。森田総務本部長は「2、3軍の距離を近づけたい。入れ替えを頻繁にして競争を促す」と意図を説明する。ファンや地元との距離感は昭和時代の巨人を育んだ多摩川グラウンドだ。同本部長は「目指すのはかつての多摩川グラウンド。子供たちが自転車で行って巨人の選手を間近で見られた。近くにおでん屋もあり、いろんな店も集まった。住民との距離が近い野球場にしたい」と話した。建設着工は21年3月末、完成は23年3月末を目指す。