ソフトバンクが来季のV奪還に向け、昨オフは行わなかった対戦データの徹底分析に乗り出す。相手の弱点を丸裸にする狙いで、工藤監督がスコアラー陣に指示した。

 得点圏打率、出塁率、OPS(出塁率と長打率を足し合わせた数値)などの細かい数字を洗い出す。特に今季、打率4割1分1厘、9本塁打、16打点と痛打された日本ハム大谷への対策は必要不可欠だ。投手大谷も難敵だが、まずは打者大谷封じのための作戦を練る。

 森チーフスコアラーは「交流戦以降、日本ハムに全然勝てなかった。大谷1人にやられた」と明かし「内角が甘くなって打たれるのを恐れ、内角を見せ球にしてアウトローを攻めたが逆だった。柳田がやられたように内角で勝負するべきだった。日本シリーズを見てもそう思った」と分析。「来年は、当てても仕方ないという気持ちでもっと内角を攻めないといけない」と話した。

 ほかにも今季、リーグワースト126本塁打を浴びたうち、100本近くが高めを打たれている傾向もあるという。森チーフスコアラーは「ゴロよりもフライでアウトを取る先発投手が多いので、三振も多いが被本塁打も多い。しっかり低めに投げないといけない」と確認。まずは投手陣へのデータをそろえ、来季の投手力アップに役立てる。【福岡吉央】