おしゃれも、ピッチングも足元から-。長嶋終身名誉監督が推奨する「ユニークトレ」第2弾として、巨人宮崎秋季キャンプに参加中の投手陣に土台矯正の秘密兵器が配布された。その名も「足ゆび元気くん」(価格は税込み3240円)。足の指の筋力を回復させる健康グッズで、木村1軍投手兼トレーニングコーチが提案し、採用された。

 武骨な男たちがなぜ? 異様な光景に、見守る女性ファンも目を疑った。理由は、戸根の足先だった。一見すれば、ペディキュア(足の指のネイル)中に使用する「足指パッド」を装着しているように見えた。感覚を確かめるようにゆっくり歩き、バットも振ったが、なぜか、苦悶(くもん)の表情。秘密兵器の効果だった。

 悪癖克服に通じる。戸根の場合、外側加重(足の外側に力が加重する)で、力が最大限伝わらず、投球フォームの不安定さも招いた。キャンプ初日から「足ゆび元気くん」を使用し、最初は動かなかった足の指が動き始め、足裏からの土台の安定を実感した。入浴中にも装着し「面白いなと。いろんなことに結び付きそう」と話した。

 ユニークトレは、長嶋終身名誉監督の提言だった。球団幹部も集った9月中旬の役員会で「もっとユニークな練習をした方がいいんじゃないか」と提案。第1弾として、投手陣が1対9でボールを早回しする「ケンカボール」を導入した。木村コーチは「武道をする人は、5本の指でしっかりと地面をつかむ。ピッチングのヒントの1つになれば」と話した。【久保賢吾】