来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一を目指す日本ハム大谷翔平投手(22)に、万全のサポート体制が敷かれる。9日、栗山英樹監督(55)が札幌市内で取材に応じ、来春キャンプでの例年より早い実戦登板を示唆。また登板時には、“特別ルール”としてWBC球を使用することも検討し、世界で戦う大谷をバックアップする。

 侍ジャパンが世界の頂点に立つために、援護は惜しまない。栗山監督は来春のキャンプで、例年よりも早く大谷を実戦マウンドに上げることを示唆した。「WBCもあるから早くしないといけないとは思っている。(アリゾナキャンプで)投げる可能性はある」。同キャンプで2、3試合ほど組む予定の紅白戦で、今季初登板することになりそうだ。

 今年も、初実戦マウンドは2月の米アリゾナだった(現地時間2月10日、韓国ロッテ戦)。だが来春はWBCを考慮し、アリゾナキャンプの日程は短縮されている。今年の登板日である2月10日の深夜には現地をたち、2次キャンプ地である沖縄・名護に向けて移動する予定。その前の紅白戦に登板するとなると、プロ5年目で最速始動となる可能性が高い。

 また同監督は、大谷の登板時のみ、ボールをWBC球にする特例についても「可能性はある」とした。チームメートが打者となる紅白戦だけに、「あのボール(WBC球)だと滑って、打者が危ないかもしれないね」と冗談交じりに話すが、それだけ日本の統一球とは感触が違うということ。本大会を見据える上では、メジャー仕様の硬いマウンドで、WBC球を使って実戦登板できることは有意義なものになりそうだ。

 早ければ来オフにも、ポスティング移籍で海を渡る可能性がある大谷。栗山監督は「いつ(メジャーに)行くと言ってもいいように、できる限り(課題を)つぶしていく」。WBCの世界一、そしてその先に目指す「世界一の選手」になるために、最大の手助けをする。【本間翼】