“当たり年”の男に乗れ! ロッテ清田育宏外野手(30)が23日、人生初の競馬予想に挑戦した。今季は、頭部への2死球を含む9死球を食らった。そこで、25日の有馬記念(G1、芝2500メートル)の本命は、ずばり9番のヒットザターゲットに決定。打撃不振で苦しんだシーズンだったが、大穴の単勝1点で勝負して、来季はヒットを量産する。

 ギャンブルをたしなまない清田だが、目は真剣だった。いつもは手に取ることのない出馬表とにらめっこ。しばし考え、ひらめいた。「今年は9個もデッドボールをもらった。当たり年でしょ。9死球だから9番で。ヒットザターゲットですか! いい名前ですね。当たりますよ。単勝です。そして、来年はヒット量産です!!」と力強く話した。男らしく、単勝1点で勝負する。同馬の前々日最終オッズは、全16頭中13番人気の120・6倍。年の締めくくりにふさわしい夢を買った。

 本業では苦しんだ1年だった。昨季は打率3割1分7厘、15本塁打で、6年目で自己ベストを残した。今季は暗転。打率2割2分5厘、6本塁打と落ち込み、7月には2軍落ちも味わった。ただ、自ら言うように“当たり年”ではあった。

 まず、1月の初詣。大吉が出にくいと評判の浅草寺のおみくじで、2年連続となる大吉を引き当てた。もっとも、野球は吉とはいかず、自己最多となる9死球の大当たり。しかも、2つは頭に当たった。9月8日の西武戦でもらい、脳振とうの診断。復帰後すぐ、同21日の楽天戦でも頭に食らった。頭部死球は通算4個となり、プロ野球最多を記録してしまった。

 この日はZOZOマリンで野球教室。2時間、子供たちに手とり足とり教えると「十何年後、みんながロッテに入って『野球教室で教えてもらいました』と言ってくれるのを楽しみにしています」と、夢のある言葉で締めくくった。1歩間違えば選手生命を脅かす頭部死球も、シーズンが終わればネタに出来る男だ。単勝万馬券のヒットザターゲット。馬名の由来は「的に命中する」。13度目のG1挑戦で悲願の初Vを狙う。清田が推すなら、ひょっとして…。夢がかなうかもしれない。【古川真弥】

 ◆清田の当たり年 9死球はチーム最多タイでもあった。9月8日は西武郭俊麟に。登録抹消され、脳振とう特例措置が適用された。同21日は楽天美馬から。抹消には至らなかった。他にも“当たり”があった。4月8日の西武戦の1回、走者として本塁生還したがアウトの判定。リプレー検証の結果、セーフに覆る初のケースに当たった。6月には、右目にものもらい。菌に当たり、スタメンを外れた。締めはCS。ソフトバンクとのファーストステージで2試合連続先頭打者アーチ。ポストシーズン史上初の大当たりだった。