来る者、拒まずや!! 日本ハム中田翔内野手(27)が来季も「中田賞」を継続する。同賞は、ノルマを達成した後輩に豪華ご褒美を与える、中田流の若手モチベーションアップ・システム。同賞制定3年目を迎える17年シーズンは、後輩なら誰でもノルマ設定OKという「おとこ気精神」で、連覇を目指す来季もチーム力底上げに一役買う。

 欲しいヤツは、オレに言うてこい-。太っ腹な中田が、チームの全後輩に門戸を開く。独自のノルマ設定を達成したら、超豪華なご褒美を与える「中田賞」。若手選手のレベルアップを願う気持ちは強く、来季の同賞の継続について「やりたいヤツだけ。あの子らのモチベーションになるならね」と、続けていく意思を示した。ただ、自分から声をかけることはない。あくまで、後輩からの提案を待つという。約束した結果を残して、高価な賞品をゲットしようとする意欲的な姿勢を期待してのことだ。

 後輩のためなら、身銭を切ることも惜しまない。チームが10年ぶりの日本一となった今季、同賞達成の後輩は新人王を獲得した高梨ら「4~5人くらい」と明かした。印象的だったのは3年目を終えた渡辺。ノルマは「プロ初本塁打」に設定していた。シーズン最終戦、ようやく今季初出場となった渡辺は、ラストチャンスで札幌ドームの右翼席にメモリアルアーチを運んだ。「最後に打ちやがって」と冗談めかしたが「あの1本は、あいつにとっても来年につながると思う」と納得。高価なブランドバッグなどを候補に、ご褒美をプレゼントする予定だ。

 ちなみに、沢村賞がノルマだった大谷はMVPとなってもご褒美はなし。「差別はしない」と、自ら力量を判断して絶妙なノルマ設定を課すつもり。若手の台頭はチームを活性化し、連覇へ、継続的な強さへもつながる。同賞制定3年目の来季も若手の兄貴分としてグラウンド外でも頼もしさを発揮する。【木下大輔】