初夢を現実にするぞ! 楽天のドラフト2位ルーキー池田隆英投手(22=創価大)が3日、八王子市内の同大グラウンドでソフトバンク1位の田中、ヤクルト小川ら同大野球部OBら8選手と合同練習。初夢の中で昨季限りで引退した広島黒田から指導を受けたことを明かした。今後は新人王を目標に投球でアピールし、本物から目をかけられる存在になるつもりだ。

 元日の夜、池田は室内練習場で午後9時からネットスローとランニングなど約2時間の練習を行い、床に就いた。すると、夢に現れたのは、日米通算203勝の黒田氏だった。「黒田さんにツーシームとかインサイドの使い方とか、すごく教えてもらった。めっちゃ現実的でした。僕はジャージー、黒田さんはカープのユニホームでした」。うまくなりたい。その願いが、面識のない名投手を枕元に呼び寄せた。

 プロ入りに、不安がいっぱいだという。例年は1月5日ごろに実家のある佐賀から東京に戻るが、今回は大みそかに帰京し、早くも練習を再開していた。「まだプロ野球で1球も投げていない。自分が通用するのか不安。対応力で年々結果が出せる世界だと思う」。この日は小川にプロの登板間隔に対する調整法を尋ね、5日の入寮後はエース則本に長いイニングを投げる意識を問う予定。黒田氏以外の先輩たちにも教えを請い、不安を解消していく。

 今季の目標は明確だ。「大きな目標は新人王。でもまずは1戦、1球ずつ」。黒田には会いたいが「聞ける立場にならないと。しっかり力をつけて」と段階を踏む。楽天では田中将大(現ヤンキース)、則本以来3人目の新人王を獲得すれば、自然と黒田氏にも存在が伝わるはず。名前を売ってから、胸を張って投球術を聞くつもりだ。【斎藤直樹】

 ◆池田隆英(いけだ・たかひで)1994年(平6)10月1日、佐賀・唐津市生まれ。小4から成和ライオンズで野球を始める。創価高では1年秋からベンチ入り。創価大2年秋の明治神宮大会で自己最速151キロをマーク。181センチ、84キロ。右投げ右打ち。家族は両親と姉。

 ◆球界の主な初夢 00年松井(巨人)は「オレは熟睡型だから、あまり夢は覚えていない。でも、苦手な投手を打ったような気がする」とニヤリ。04年ルーキー内海(巨人)は「殺されちゃいました。大勢の人が鉄砲で撃ってきて。応戦したんですけどね」。だが「不吉ですけど、逆にいいことがありそう」と前向きだった。10年菊池(西武)は「怖い夢を見た。覚えてないけど起きたら汗をいっぱいかいてた」。池田のように良い夢をはっきり覚えているケースは珍しい。