カーショー型グラブでノーモア肘痛! 中日小笠原慎之介投手(19)が新投法習得にチャレンジする。9日、ナゴヤ球場室内で手術以来約2カ月ぶりにキャッチボール。今後、肘に負担のかからない投法にするため、新グラブの力も借りる考えを明かした。

 15メートルの距離で45球。「感触はよかったです。少しずつ球数と距離を伸ばしていきたい。ボールを投げられず苦しい時間でした」と笑顔で振り返った。

 疲れが出ると腕の力に頼って投げる傾向があった。優勝した高校3年夏の甲子園で投げ抜いた反動がプロの1年をへて顕在化。手術という結末に至った。

 「肘の可動域を広げたり、柔軟性をつけないと再発してしまう。肘だけに負担をかけず、いろいろなところを使って投げるようにしないと。胸郭や下半身の使い方ですね。地道にやってクセにしないといけない。時間はかかると思う」

 対策の1つが新グラブ。「役に立つと思います」。昨年、岩瀬から右腕の使い方が重要と指導された。そこで、小指の穴に薬指も一緒に入れる型のグラブを注文。親指以外の4本指を3つの穴に詰めることで投球時に握りやすくなり、右手を意識した投法が可能になる。メーカーは違うが、あこがれのドジャースの左腕、カーショーに近い型だ。この日、初めてキャッチボールで使用した。

 「名古屋で傾斜を使って投げるところまで行けたら…」と理想のプランを明かす。長いトンネルを抜け、ようやく小笠原に“正月”がやってきた。【柏原誠】

 ◆クレイトン・カーショー 1988年3月19日、米テキサス州生まれ。06年ドラフト全体7位でドジャース入団。11年に投手3冠。14年は21勝3敗でMVP。サイ・ヤング賞3度。メジャー9年通算126勝60敗、防御率2・37。14年に当時投手史上最高の7年総額2億1500万ドル(約247億円)で契約延長。150キロの速球とスライダー、大きなカーブが武器。左投げ左打ち。