広島堂林翔太内野手(25)が11日、鹿児島市内の最福寺で護摩行に臨んだ。座った自分の顔よりも高い、約3メートル燃えさかる炎の前で、不動真言を絶叫した。

 苦しみの先に光がある-。そう信じて、弟子入りした新井貴浩内野手(39)が毎年続ける護摩行に同行した。炎の威力に顔はゆがみ、呼吸が整わず、声も出てこない時間もあった。紅潮した顔からは汗が噴き出る。それでも、行の前に新井から言われた「向かっていけ」という言葉を思い起こしたように、堂林は声を張り上げ、不動真言を唱え続けた。「声を出さないといけないというか、出さないと気を失っていく。そんな感じがありました」。炎へ1歩も引かぬ姿は、不退転の覚悟で挑む今季への決意の表れ。「これが野球につながっていくんだと思います」と前を向いた。

 新井のほか、石原慶幸捕手(37)、会沢翼捕手(28)も護摩行に臨んだ。