西武浅村栄斗内野手(26)が「規格外」の弾道を披露した。11日、愛媛・今治で自主トレを公開。ティー打撃では45スイング中28スイングで、打球が両翼100メートルの球場フェンスを越えていった。

 うち5本が場外に消えていった。左翼スタンド後方、本塁から約120メートル先にある球場管理棟の屋根にはねた一発も。ボールは打席から約170メートル地点、駐車場の縁石にひっかかって止まっていた。

 浅村は「規格外ですね」と笑いつつも「そんなに飛ぶようになったわけじゃないと思うけど」と首をかしげた。しかし一緒に自主トレを行っている熊代は「今のあいつはえげつないスイングをしている。身体の回転のスピードがすさまじい。やはりトレーニングの成果なんじゃないかと思う」と話した。

 実働6日目となる自主トレでは、帯同の川島浩史トレーナーに依頼し、体幹や股関節回り、臀部(でんぶ)などの強化メニューを組んでもらった。

 筋力自体の強化に加え、使えていない筋肉を動かせるようにすることで、スイング時の身体の回転スピードが大幅にアップしているとみられる。

 昨季は打率3割をマークしたが「よかったとは思っていない」と言う。シーズン序盤は不振に苦しみ、打率1割台に沈んだこともあった。それだけに「1年通して活躍して、すごい成績を残したい」と意気込む。

 スランプの中で「打ちたいと思うあまり、無意識にスタンスが広がっていた」という気づきも得た。シーズン終盤、ボール3つ分ほどスタンスを狭めることで、下半身主導の身体の回転でバットを振る感触もつかんでいた。

 フォーム修正に加え、体幹、股関節回りなどが強化できれば、さらにスイングが鋭くなると見込む。浅村は「本当にきつい」と表情をゆがめながらも、精力的にトレーニングに取り組む。同地での自主トレは16日まで続く。