【米グアム11日=為田聡史】巨人小林誠司捕手(27)が「秘伝ノート」作成に着手した。阿部に同行している自主トレは第2クールに差し掛かった。連日のハードトレーニングと宿舎に帰ってからの“阿部塾”で充実の日々を送っている。四六時中、ノートを手にしてメモを取ることが日常となった。24時間態勢で小林が捕手道を志している。

 日中のトレーニングを終えると、すぐさまノートを開く。「限られた時間の中で阿部さんから教えてもらったこと、アドバイスを書き留めています」。ブルーのブックカバーがついたノートにメモ書きして、就寝前にA4サイズのノートに清書する。ノートの中身については「今は秘密です。しっかりと内容を整理しています」と詳細は伏せたが、起床後に見返し、1日をスタートさせることで日々の成長につなげている。

 阿部の思いを受け止める使命がある。「勝ちたい」。新旧正捕手の共通認識が、今回の自主トレ同行のきっかけになった。「今までも手抜きはしていませんが、まだ足りない。もっと、もっと、ということだと思います」。阿部も「自分が今までやってきたこと、経験から得たこと、先輩から教えてもらったこと、全てを伝えようと思っている」と後輩の成長を全力でのサポートを約束した。

 伝統球団の捕手としての重圧は、当事者しか分からない。「一言じゃ言えないけど、いろいろある。ただ、経験を伝えていくというのを、これからも伝統にしていかなければ」と阿部。小林も「自分もこの先、次の世代に伝えられるような捕手になれるように頑張ります」。新旧捕手の距離感は日に日に近づきつつある。