藤浪、初のWBC! 阪神藤浪晋太郎投手(22)が3月に行われる第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパンメンバーに内定したことが14日、分かった。日本代表首脳陣は以前から右腕の潜在能力を高く評価。世界に通用するパワーピッチャーとして「第2先発」を任されることになりそうだ。

 藤浪が日の丸を背負い、初めてWBCのマウンドに立つ。代表メンバー28人の選考が最終段階に入る中、虎の大黒柱にも内定通知が届くことが判明した。現状、試合の2番手で数イニングを任される「第2先発」としての起用が濃厚だ。

 侍ジャパン首脳陣は以前から藤浪を「華がある選手」と高く評価していた。昨季は不調に苦しみ、シーズンでは7勝11敗どまり。昨年11月の侍ジャパン強化試合には選出されたが、招集を辞退した選手の代役として、滑り込みで代表入りした形だった。

 ただ、同12日のオランダ戦(東京ドーム)では2番手で3回2失点。1イニング目に直球中心の配球で2ランを浴びるも、その後は多彩な変化球も交えて安定した投球を披露していた。オランダ打線を球威で押し込む場面が目立ち、権藤投手コーチは「十分に通用する」と評価。修正能力の高さも認められ、貴重なパワー投手としてWBC行きのチケットを手にした。

 藤浪にとって、WBCは夢の舞台だ。「WBCは特別。小学校の時から見てきて、あれだけと興奮して燃えた大会はない。単純に憧れです。今度は自分がみせる側になりたい」。09年に現マーリンズのイチローが優勝を決める勝ち越し打を放った際は、テレビの前で立ち上がって応援したという。今オフはWBCメンバー入りを信じて、WBC球を使用して自主トレに励む。1月中にブルペン入り、2月上旬に実戦マウンドと、超速仕上げの計画を立てて調整を続けてきた。

 昨年12月にはレンジャーズ・ダルビッシュらとの合同トレで体を鍛え抜き、体重を自己最重量の97キロに到達させている。妥協なき土台作りを進め、準備に狂いはない。さあ、世界最高の舞台へ。「藤浪」から「FUJINAMI」にスケールアップする瞬間が近づいてきた。

 ◆藤浪の日本代表歴 中学、高校の各世代で代表の経験がある。14年の日米野球で、侍ジャパンのトップチームデビュー。11月16日の第4戦に先発し、4回4失点で降板した。15年3月10日の欧州代表戦では救援登板し、2回を無失点。同年11月の「第1回プレミア12」は右肩の炎症を理由に出場辞退した。16年は3月の台湾戦は右肩の状態から招集に至らず、11月の強化試合には代役で出場した。