中日森繁和監督(62)が異例すぎるキャンプ前の“最後通告”だ。15日、練習視察していたナゴヤ球場からCBCテレビ「サンデードラゴンズ」に生出演。9年目の伊藤準規投手(26)に対して「今年ダメならクビかトレード」と過激な言葉で尻をたたいた。

 球春近しを感じさせる合同自主トレ初日の衝撃発言だった。実は、昨年も伊藤のトレード話が進んでいたが、自らが監督に就任したことで白紙にしたという。たたみかけるように「今年ダメならクビ」…。

 放送時、伊藤はトレーニング室で練習中。人づてに聞いたが、ショックは受けていなかった。実は監督は昨年末にも直接、同じことを伝えていた。その後、12月の結婚式でも、両家の親や親戚もいる前で「来年ダメなら自分からユニホームを脱げ」とスピーチしていたことが判明した。

 スタッフ会議を終えた森監督は伊藤を1軍北谷キャンプのメンバーに入れたことを明かした。「何回だまされてきたか。必死にやってくれたらそれでいい」。高い能力を認め、性格も熟知しているからこそ、言葉も厳しくなる。

 伊藤は昨年、7月の阪神戦に好投して4年ぶりに勝利したが、結局1勝どまり。それでも秋季キャンプでの評価は上々。昨年固めたフォームに手応えを感じている。「それが本音なんだと思います。森さんには入団以来ずっと見てもらっているのに裏切り続けてきた。監督になられて、それを僕は返していかないといけない。今年こそ恩返しします」。森流の愛のムチは実を結ぶか。【柏原誠】