高卒3年目を迎えるオリックス左腕の斎藤綱記投手(20)が「星の王子さま」直伝フォームで飛躍する。15日、神戸市内で自主トレし、星野伸之1軍投手コーチ(50)になぞらえた投球フォーム改造に取り組んでいることを明かした。

 「秋季キャンプで星野さんと一緒に星野さんの映像を見て、星野さんのような投げ方にしました」

 打者から球の出どころが見えづらい左手テークバックに変えた。他の選手をまねするケースは多いが、本人から直接、本人動画を題材に伝授されるのは珍しい。

 星野コーチは遅い球を速く見せるなどたぐいまれな投球術で通算176勝を挙げた。高卒3年目に9勝でエースへの階段を上った。北海道出身で同郷の斎藤は「僕もそんなに球が速くない。いかにタイミングを狂わせるかが大事」。昨年12月、台湾でのアジアウインターリーグ期間中に改造フォームで投げ始め「打者が差し込まれた感じがあった」と手ごたえを感じた。

 星野コーチが武器にしたスローカーブも「台湾ではカウントが取れた」と武器になりつつある。さらにチェンジアップも習得中だ。昨年は9月にプロ初登板を経験。今季は20試合以上を目標にする。「星野2世」となるべく新フォームを固めていく。【大池和幸】

 ◆斎藤綱記(さいとう・こうき)1996年(平8)12月18日、札幌市生まれ。札幌新光小3年から野球を始める。北照では2年夏の甲子園に出場。14年ドラフト5位でオリックス入団。昨年ウエスタンリーグは20試合で3勝7敗、防御率5・25。181センチ、83キロ。左投げ左打ち。

 ◆星野伸之(ほしの・のぶゆき)1966年(昭41)1月31日、北海道生まれ。旭川工から84年ドラフト5位で阪急(現オリックス)入団。開幕投手を7度務めるなどエースとして活躍し、99年オフにFAで阪神に移籍。02年引退。通算427試合で176勝140敗2セーブ、防御率3・64。