勝ちながら育てる。巨人は16日、都内でスタッフ会議を行い、今季戦略などについて話し合った。高橋監督は「勝つ中で選手を育て、常勝チームをつくる」と明言。老川オーナーは「打てない中で新人を使ってもどうにもならない。主力が得点を挙げて勝てる体制をつくることで若い選手が育つ環境ができる」とオフの大補強の真意を説明した。指針の下で小林の正捕手を脅かす2年目の宇佐見が春季キャンプ1軍メンバーに初めて入った。

 勝つための数字を具体化した。打率2割6分、1試合平均4得点、防御率2点台、バント成功率8割と昨季目標と似た数値が並ぶ。だが中身を掘り下げると濃さは増す。4得点以上を75試合以上、3失点以下を90試合以上に設定した。3連覇した12~14年は4得点以上が平均75試合、3失点以下が同92試合。基準値をクリアできれば、優勝への方程式が成り立つ。

 昨年はリーグワースト38戦の逆転負けも、3失点以下が実現できれば自然と悪癖も消える。守り勝てるチームがコンセプト。指揮官は「どの数字が大事というより、どれも伸ばさないといけない。数字が良ければ勝てる確率は増える」と説く。明確な目標を羅針盤に突き進む。【広重竜太郎】