これが虎の穴ならぬ「猛牛の穴」や! オリックスは26日、3月から稼働する大阪市此花区舞洲の2軍新施設を報道陣に公開した。神戸では利用制限があった2軍球場は全日使えるようになり、広くなった室内練習場と合わせて24時間、365日練習できる環境が整った。元オリックス投手の宮田典計寮長(62)に30億円施設を案内してもらった。

 第2のイチローがここから誕生するかもしれない。オリックスの新しい前線基地がお披露目された。総工費は約30億円。1軍本拠地の京セラドーム大阪から車で約15分と近くなった。出迎えてくれた宮田寮長はチームの将来を頭に描く。「立派な施設。ここから1人でも多く育って、1軍の戦力になってもらいたい」。

 それだけの環境は整った。使用中の神戸では、第2球場が市の所有物であるため、主に週末は利用制限があった。新施設では、京セラドーム大阪と同じフェアグラウンドを持つ舞洲サブ球場で存分に練習できる。

 この球場にナイター施設はないが、隣の室内練習場は24時間稼働。61メートル×61メートルと現在より縦、横とも9メートル広い。寮生活の選手だけでなく、京セラドーム大阪で1軍公式戦を終えた選手も舞洲に移動してトレーニングが可能となった。

 建物1階のエントランスから左手通路を歩けば、90人分が収容可能なロッカー室。さらに豪華なトレーニング室が見えてくる。

 大手フィットネスクラブ「ゴールドジム」がプロデュースし、最新鋭の機器が取りそろえられている。一角には選手らの要望でプロテインのバーカウンターが新設。トレーニング用のプールも併設されている。さらに奥にあるブルペンは、現在の4レーンから6レーンに。うち1つのマウンドは、リハビリ用に半分の高さに設定された。

 建物の2階には食堂、サロン、大浴場。また風邪などの感染予防のため体調管理室が新設された。3、4階は選手の1人部屋が並ぶ。2軍用は11畳(約18・21平方メートル)で、5部屋しかない1軍は15・42畳(約25・54平方メートル)と広めだ。寮費は1人あたり月5万円(育成選手は4万円)。

 舞洲サブ球場は今季からウエスタン・リーグでオリックス2軍の本拠地となる。選手とふれあえるファンサービスゾーンを利したイベントも検討中。猛牛軍団の未来のスターが、舞洲から生まれる。【大池和幸】