オリックス小田裕也外野手(27)が3時間半以上の特打に臨んだ。午前中のチーム打撃で、小田はバントに失敗。

 この日は、チーム打撃でミスが出た場合は当該選手は全体練習から外れて“罰打”を行うことが打撃コーチから通達されていた。小田は、同様にバントを失敗した宗、エンドランを失敗した武田と3人、室内練習場にこもり、午前11時50分から午後3時まで昼食抜きで打撃練習。さらに2人が引き上げたあとも1人、マシンに向かった。その姿に、下山打撃コーチは「何かつかんだんじゃないかな」と目を細めた。

 小田自身も「最初は、やらなければいけないことを失敗して、情けない練習からスタートしましたが、その中で確認したいことを確認できた。自分に向き合える時間になりました」と認めた。進塁打でもどういうゴロを打てば、自慢の足を生かして自分も生きることができるかなど、確認作業を行う練習になった。

 小田は東洋大時代の全日本大学選手権決勝・慶大戦で、日本一を決める本塁打を放った。日本生命でも、スカウトの目を引いたのは守備より足より、長打力だった。日本ハム西川のように「野手の間を抜く長打を打ったり、ここ一番で1発も打てる打者が理想」と明かす。ただ今は、バント、右打ちなど走者をきちんと進める打撃が求められる。「まず求められることをちゃんとできるようにならなければ」と置かれた立場を自覚しながらも、理想は捨てない。「小田ならなんとかしてくれる」とどんな局面でも任せてもらえる打者になる日を目指し、バットを振る。【オリックス担当 堀まどか】