成人して一番初めの日に誓った。広島塹江敦哉投手が21日、沖縄で20歳の誕生日を迎えた。前日20日に宮崎・日南から沖縄市に移動。この日は22日からの2次キャンプを前にした休日で、十分に体を休めた。「今年はチームに貢献して、ビールかけをしたい。大人になったので責任感を持ってやっていきたい」

 まだ3年目。昨年、優勝決定後に1軍デビューし、3試合で経験を積んだ。合計の防御率は11点台と苦いものだったが、中日担当として忘れられないマウンドがあった。9月16日の中日戦(マツダスタジアム)。野村、大瀬良のあとを継いだ19歳左腕は、最終9回を3者凡退にして完封リレーを締めてみせた。

 0-8で大敗した中日はこの時点で、4年連続のBクラスが確定した。記者は「広島との絶望的な差を露呈」と書いた。その表現は、高卒2年目の若ゴイがはねるように150キロを投げ込む姿に導かれたといってもいい。中日担当でありながら、たまたま20歳の誕生日に立ち会い、しかも一番の笑顔を見てしまったが、シーズンでは「敵」になる。中日は昨年、広島に7勝17敗1分け。成人はおめでたいが、美酒を飲ませるわけにいかない。【中日担当 柏原誠】