ヤクルトの新外国人ロス・オーレンドルフ投手(34=レッズ)が「いきなりスピード投法」で衝撃デビューだ。23日、楽天との練習試合で来日初先発。先頭の茂木への4球目だった。3球目までと同様に大きく振りかぶり、ゆったりとしたフォームから急に投球動作を速めた。完全にタイミングを外し、スライダーで見逃し三振。3番銀次にも3度試した。直球は最速148キロをマークし、2回3奪三振の完全投球。「タイミングを変える投げ方はアメリカでも少しやっていたけど、日本では機会が多くなりそうだよ」と笑った。

 ルール上の問題もない。フリー打撃に初登板した18日に“幻惑投法”を披露。30年目の森健次郎審判員(53)は「あそこまで極端に(時間差をつけて)投げる選手は記憶にないので、違和感があった」とNPBに映像を送って確認。この日の投球も「規則どおりで問題なかった」と説明した。

 夫人の出産のため来日が遅れた影響を感じさせず、開幕ローテ入りへ大きく前進した。合流した9日夜に開催された外国人選手の食事会では、いきなりステーキ1キロをペロリ。食欲でも周囲を驚かせた。「日本の打者は足を上げて打つ選手が多いから、成功するためには有効な手段だ。全試合、勝てるように投げるよ」。メジャー通算30勝右腕は、貪欲に勝ち星を重ねていくつもりだ。【鹿野雄太】