そつのない動き、冷静な判断で周囲をうならせた。西武のドラフト3位源田壮亮(24=トヨタ自動車)が25日、高知・春野での練習試合楽天戦に「9番遊撃」で先発出場。3回1死二塁の守備では、岡島の緩い遊ゴロを捕球するなり、右方向にターンし素早く三塁へ送球。進塁を狙った伊志嶺を刺した。

 前進しながら右後方へ身を翻す難しい送球。こうしたプレーは、得てして派手な動きになりがちだが、源田はあくまでサラリとやってのけた。「状況は見えていたし、周りからの声も聞こえた」と事もなげ。これには辻監督も「球際が強い」とたたえた。

 キャンプを通し、守備のレベルの高さは周囲も認めるところになっていた。しかしこの日は「緊張してガタガタでした」と試合前のシートノックでファンブルや悪送球を連発していた。すると周りからは「おいおい珍しいな」「緊張してんのか」と一斉にツッコミが入った。「逆にそれで気持ちが楽になりました」。計6回の守備機会で、すべて軽やかに打球をさばいた。

 辻監督は「ああやって周りからかかる声を聞いても、それだけ守備のうまさを認められているってことが分かる」とうなずいた。この日は持ち味の守備だけでなく、打撃でもアピール。8回にはファウルで粘った末に10球目を右前に運ぶなど、2安打を放った。

 指揮官は「つなぎの四球も含めていい働き。左も苦にしないし、練習よりも実戦で力が出せるタイプ」と評した。開幕1軍どころか、開幕スタメンの可能性も日に日に高まる。それでも源田は「今日ももったいない打席、走塁があったので修正したい」と表情を引き締めた。【塩畑大輔】

 ◆西武の新人開幕スタメン 過去に西武のルーキーで開幕戦に出場したのは11人。源田が出れば、13年に右翼手で出場した金子以来となる。遊撃手での出場となれば、81年の石毛以来で36年ぶり2人目。