さすが超人、もう80%! 右膝関節炎で別メニュー調整のキャンプを終えた阪神糸井嘉男外野手(35)が2月28日、「開花目前」を宣言した。キャンプイン直後は状態を「2パー(2%)!」と表現していたが、最終日を迎え「80パーくらいは戻ってきている」と言い切った。順調調整で3月中旬にも実戦出場し、31日の開幕に照準を定める。

 糸井の目が鋭く光った。キャンプ中は嘉男ジョークで周囲を和ませてきたが、この日は違った。ゆっくりと慎重に。真剣な表情で自身の現在位置を分析した。

 「80パーくらいまでは戻ってきている感覚はあるけど、今が大事。ここが無理するところではない。少しずつ回復しているのは感じている」

 FA戦士として迎えた新天地のキャンプ。その直前に右膝を負傷した。文句のつけようがない結果を残してきた糸井にとっても、不安と焦りに包まれた2月だったに違いない。キャンプ3日目には、一気に調整が進まないもどかしさからか。自身の状態を問われて「2パー」と弱気にコメント。当初は2月中旬の全体練習合流も頭に描いていたが、チームの無理はさせない方針もあり、最後まで別メニューを貫いた。

 ただ、金本監督の信頼が揺らぐことはない。キャンプ初の屋外フリーを行った17日。右翼防球ネットに突き刺さる推定140メートル弾を見せられた指揮官は「(ぶっつけ開幕でも)いいと思うよ」とニヤリ。この日も「特に心配していない。開幕に間に合って、143試合しっかりやってくれれば、心配はない」と、すでに3月31日広島戦の「センター糸井」は決定済みだ。

 1歩、1歩階段を上がってきた。25日には守備練習を開始。今季の定位置である中堅を守って右翼福留とタッグを組んだ。「それくらいだと思います」と糸井自身は3月中旬以降の実戦出場をイメージしている。早ければ17日中日戦(ナゴヤドーム)、18日DeNA戦(横浜)、19日ヤクルト戦(神宮)あたりで縦じまデビューとなるかもしれない。

 「開幕からしっかりチームに貢献できるように。それだけを考えています。みんなで笑って終われるように。移籍して良かったなと思えるように。そういうシーズンにしたい」

 人一倍責任感の強い男は、まっすぐに開幕を見据えている。【桝井聡】

<糸井の宜野座キャンプ>

 ◆超別メニュー発進 1日は、球場滞在30分で「行ってきま~す!」とプールトレへ。球場に戻り、ほぼ座った状態でトス打撃130スイングをこなした。

 ◆バウバウ 4日は男子200メートルハードルのアジア最高記録保持者、秋本真吾氏から走り方指導を受けた。手応えを問われ「バウバウ!」と笑顔で回答。

 ◆160キロ出せる 第1クール最終日の5日、約45メートルのキャッチボール。本屋敷トレーナーに「ダルビッシュと(トレーニングを)したら160キロ出せる」と豪語。

 ◆出た特大弾 17日に屋外でフリー打撃を開始し、140メートル弾など柵越え6本。「気持ちよかった!」。場外に飛び出す打球が危険とし、球場が右翼後方ネットの延伸検討を始めた。

 ◆右腕直撃 21日、メイン球場で外野をランニング中に、福留の打球が右腕を直撃。一時は騒然となったが「収穫や! 硬球は硬くて痛い!」と爆笑させた