中日の新外国人ホルヘ・ロンドン投手(29=パイレーツ)が、オープン戦ながら球団最速の159キロを記録した。7回に登板すると20球のうち17球が速球で、すべて150キロ台。1回無失点と結果も出て、新守護神街道を突き進んでいる。

 マウンド上で誇らしげに分厚い胸板を張った。7回無死一塁。石井一への3球目はファウル。掲示は「159」。昨年、日本ハム大谷がプロ野球記録の165キロを出した札幌ドーム。ロンドンにも球速を期待する雰囲気があった場内が、わずかにどよめいた。「そんなに出ているとは」とうれしそうに振り返った。157キロも3度出した。

 これまでの球団最速は与田剛氏、浅尾、福谷の157キロとされている。過去にもギャラード、ネルソンら速球派の助っ人はいたが、まだ調整段階の3月上旬にいとも簡単に抜いた。自身最速は101・4マイル(約163・1キロ)とされる。かねて「160キロくらいは出るよ」と言っていたが、言葉にウソはなかった。

 森監督には朗報だ。メジャー13試合の成績があるとはいえ、制球難やクイックなどの不安からメドを立てにくかった。左腕アラウホの役割についてもロンドン次第としてきた。右腕が守護神に座れば、アラウホは本人が希望する先発に回せる。監督が理想とするセットアッパー田島も実現する。外国人枠は野手2人が確定。ロンドンもブルペン固定なら、先発はバルデス、ジョーダン、アラウホを交代で回す態勢になる。

 右腕は「キャンプでいい調整ができた。調子はいいよ」と笑顔。チームにとっても、ファン目線でも、がぜん注目の男になった。【柏原誠】

 ◆ホルヘ・ロンドン 1988年2月16日、ベネズエラ生まれ。06年にカージナルスと契約。14年にメジャーデビュー。ロッキーズ、オリオールズ、パイレーツでプレー。メジャー13試合すべて中継ぎで19イニング、防御率13.26。186センチ、99キロ。右投げ右打ち。推定年俸5000万円。