阪神高山俊外野手(23)が10日、金本監督から「右打ち指導」を受けた。フリー打撃中に身ぶり手ぶりで実演され、一、二塁間に強いゴロを連発。指揮官は「ポイントを前にして、しっかりたたいて、強い一塁ゴロ、強いライナーを打つ感じで。タイミングを早く取らないと無理だから、それでちょっとタイミングが良くなった」とうなずいた。

 オープン戦では進塁打に苦しむ場面も見受けられた。たとえば無死一塁。左打者は引っ張って最低でも1死二塁、うまくいけば無死一、三塁の好機をつくってほしいところ。指揮官は「回が浅い時はいいんだけど試合中盤、終盤に来た時、自由に打たすだけではね。手だけじゃなしに、体もしっかりと右の方に踏み込んで打たないと。コツさえ覚えれば簡単よ」と説明。ここまで1、2番を任せ、公式戦では進塁打を要求する場面も想定されるだけに、指導にも熱が入った。

 高山はバットを下からしゃくり上げる癖も指摘され、上から切るようなイメージも伝授された。すると居残り特打で快音を連発。監督は「居残り特打は良かった。これで少しは右打ちも進歩してくれるでしょう」とニヤリ。高山も「久しぶりに自分の形で打撃ができた。いい時間になりました」と、充実感を漂わせた。課題をクリアし、真の好打者に進化する。【佐井陽介】

 ◆高山の9日ロッテ戦 両軍無得点で迎えた5回、阪神は無死満塁の絶好機をつかんだ。ここで1番高山に打席が回ったが、遊飛を打ち上げ、走者を進められなかった。結局、得点は続く北條の犠飛1点に終わった。金本監督は試合後「高山がねえ…。不器用だから」と残念がった。