中日の開幕投手の有力候補、大野雄大投手(28)が大役に向けて挽回した。ソフトバンク戦に先発し、6回途中まで無安打投球。前回の乱調から一転、テンポよく封じた。「どの球でも苦労しなかった」と直球、フォーク、スライダー、ツーシームの制球は抜群。7三振を奪い、6回1安打無失点に抑えた。

 前回の5日ロッテ戦では4回を7安打4失点と崩れていた。「この前は力だけで抑えにいっていた。気持ちが入ってしまうと前に突っ込んで、腕が遅れてシュート回転してしまう。しっかり立ってから腕を振ることを意識した」と1週間で修正し、汚名を返上した。

 年明けから開幕投手に手を挙げていた左腕に、森監督は「たった1回だけだろ。結果を出したんなら、文句のつけようがない」と1歩前進。友利投手コーチも「これが続けばいい。(開幕投手は)決まっていない」と話した。今日12日には開幕投手候補に急浮上したバルデスが先発する予定。安定する助っ人左腕に負けじと、大野も結果を残し続けるしかない。

 開幕まで3週間。あと2試合に登板する予定だ。大野は「いろんな人が納得して、みんなが大野でいいと思ってもらえるような投球をしていきたい。今日だけではダメ。来週、再来週も意図が見える投球をしていきたい」と表情を引き締めた。圧倒的な投球を見せつけ、昨年に続き2年連続2度目の大役をたぐり寄せる。【宮崎えり子】