初の開幕投手に内定している日本ハム有原航平投手(24)が、盤石ぶりを披露した。23日、巨人とのオープン戦(東京ドーム)に先発。宝刀カットボールで18アウトのうち、10アウトと持ち味全開。6回被安打2、無失点の快投で31日の西武戦(札幌ドーム)へ弾みをつけた。開幕投手が発表された16日DeNA戦は6回7失点(自責は4)だったが、オープン戦最後の登板で結果を出し、大役へ臨む。

 貫禄漂うポーカーフェースで、付けいる隙を見せなかった。開幕投手に決まった有原が、プロ入り初の大役へ弾みを付けた。6回0封。降板後、三塁側ベンチ右端で待つ栗山監督から「ナイスピッチ。頼むぞ」と背中をたたかれた。危なげなく散発2安打。軸球のカットボールで18アウトのうち、10アウトを奪った。二塁を踏ませず、四死球ゼロ。「直球とカットボールは軸になる。うまく、もっと有効に使っていきたい」。1週間後に迫った開幕戦へ、余念なく仕上げていく。

 持ち味全開に、最終調整を完了した。序盤は直球の制球に苦しむシーンがあり、変化球を有効活用。カットボールやチェンジアップ、フォークを交えて凡打の山を築いた。「打たせて取る投球を、いつも心がけている」。空振りを取れる最速156キロの直球を操るが、臨機応変に対応。開幕投手を伝えられた前回16日DeNA戦までの3試合で、計12失点を重ねていた。「とにかくゼロに抑えたかった」。見据える大舞台に向けて、結果を最優先に右腕を振った。

 開幕戦の31日西武戦を前に、最後の実戦調整を終えた。栗山監督は「気持ちが入っていた。開幕に向けて、全てを出し切る気持ちが見えた」と、覚悟表れる姿をたたえた。有原は「試すことは試した。あとはしっかり、自分の調整をしていきたい」。プレッシャーを寄せ付けない、確かな力がある。有原が視界良好に、大役全うへと突き進む。【田中彩友美】