巨人と育成契約を結んで球界復帰した高木京介投手(27)が28日、川崎市のジャイアンツ球場でファーム選手への謝罪後、3軍の練習に加わった。野球賭博への関与で日本野球機構(NPB)から1年間の失格処分を受けていたが、27日にNPBの熊崎コミッショナーから球界復帰を認められた。1年ぶりに巨人のユニホームに袖を通し、決意を新たにした。

 1年ぶりの全体練習で高木京は現実を思い知った。処分期間中、主に母校の国学院大で自主練習。かつて習得を目指したフォークに再挑戦するなど、できる限りの鍛錬を積んできた。だが、この日はキャッチボール、ノック、ダッシュで少し息が上がった。

 1年間で体重は10キロ減の78キロ。背番号「028」もまだ入っていない練習用ユニホームには、ゆとりがあった。「実戦もしていないので、どういう状態か正直分からない。(練習を)久しぶりに全体でやって正直疲れました」と吐露した。

 練習前には、スーツにネクタイ姿で堤GMと2、3軍の選手らの前に立った。「ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。また巨人軍に復帰させていただくことになり真摯(しんし)に野球に取り組みます。2度と同じ過ちを繰り返さないよう今日からひたむきに野球に取り組んでいくのでまたよろしくお願いします」と頭を下げた。聞こえてきた拍手に「感謝の気持ちしかないです」。表情が少し和らいだ。

 ありがたみも知った。「(支配下登録を目指すなど)先のプランより、また野球ができる喜びでいっぱい。全てにおいてプロでやる体作りをしていかないといけない」。活躍を見せることが、温かく迎えてくれた仲間への恩返しになる。【浜本卓也】

 ◆復帰の経緯 23日に提出された復帰申請書と巨人の意見書をNPBの調査委員会が本人と面談するなど精査。昨年3月の処分後は公営ギャンブルにも一切手を出していないことなどが確認され、復帰が認められた。野球賭博に関与して、現役選手として復帰するのは初めて。