プロ野球はいよいよセ・パ両リーグが31日に開幕します。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の盛り上がりを追い風に、熱いペナントレースが期待できそうです。日刊スポーツ評論家陣による、今年のペナントレース順位予想を、今日から2日間、セ、パの順で掲載します。新たに日刊スポーツ評論家の仲間入りした、元中日監督の谷繁元信氏(46)は、バッテリー力を基準にした論調。今年も予想される「混セ」を勝ち抜くのは、どのチームか?

◆(1)巨人(2)DeNA(3)広島(4)ヤクルト(5)阪神(6)中日

 長丁場のシーズンで上位を狙うには、バッテリー力が大きなウエートを占める。その観点から考えると、巨人が優位とみる。まずWBCで活躍した小林の存在。国際舞台で先発マスクを託された経験は大きな自信となり、リードを含めた全ての面でプラスとなるはず。後には相川、実松のベテランがおり、捕手陣の安定感はリーグ随一といえる。

 先発は菅野、マイコラス、田口の3枚に大竹寛、内海、杉内らが控え地力十分。ブルペンは森福が加わり、勝ちパターンの継投も計算できる。オープン戦の防御率は4点台に沈んだが、実績のある投手ばかりで調整段階の数字。開幕にはしっかり合わせてくるだろう。

 投手力が向上しているDeNAは、優勝争いに絡んでくる可能性を秘める。石田、今永、井納の先発に、リリーフ陣も三上、須田、山崎康らが顔がそろえる。昨年3位とチーム力もついてきた中で、カギを握るのが捕手。戸柱、嶺井らの成長幅が、順位の行方を左右しそうだ。広島は黒田が抜けた穴を埋められるかがポイントになる。勝ち星だけでなく、精神的な柱でもあっただけにカバーするのは容易ではない。石原、会沢と経験豊かな捕手がいる。大瀬良、岡田の成長を引き出せれば連覇への道が開けてくる。

 ヤクルトは石川、小川に次ぐ先発陣の整備と同時に、中村、西田の正妻争いが順位につながるだろう。阪神、中日はともに正捕手が見えてこない。先発の頭数もそろっておらず、中継ぎも不安定感が否めない。厳しい戦いが予想される。(日刊スポーツ評論家)