広島の本拠地・マツダスタジアム(広島市)で今季開催される試合のチケットが31日の開幕を前に、ほぼ完売した。

 昨年、25年ぶりのセ・リーグ優勝を決めた影響から今年もファンがチケットを求め殺到。インターネットでは正規の5倍の価格で売られ、入手は困難を極めている。

 2月27日のマツダスタジアム前。寒空の下、翌28日に配布されるチケット購入のための整理券をいち早く入手しようと、夜通しで並ぶ人たちのテントがいくつもあった。球団によると早い人は2月上旬から並んでいた。

 昨季は6月に11連勝し、優勝への期待からチケット購入者が急増。7月前半に指定席はほぼ完売し、かつてない売れ行きだった。

 今年はそれを上回るペースだ。スタジアムは約3万3000人を収容できるが、発売2日後の3月3日には自由席などを除き残席がなくなったという。

 ただ、オークションではシーズン後半の8月や9月の試合が既に出品されており、転売目的での購入も多くあったとみられる。3月後半の時点で、9月中旬の外野指定席4枚が、正規価格の5倍の約4万4000円になっていた。広島市内の金券ショップでも、4月の試合で通常は1枚3600円の内野指定席が2万円で店頭に並んでいた。

 球団の担当者は「転売目的の購入は何とかしたいが、対策が難しい」と頭を抱えている。