開幕男が敗れた。ロッテ涌井は、ソフトバンクに同点を許すきっかけの四球を悔やんだ。味方が1点を先制した直後の7回、1死から昨季までチームメートだったデスパイネに与えた。「ヒットだったら違った展開だったかも」と残念がった。カウント3-0にしてしまい、腹をくくった。フォークを連投し、5球目で歩かせた。「ホームランしか狙ってこない。最悪、歩かせていいと。ただ、初球でカウントを取れたら別の攻め方もできた」。そこから連打で同点とされ、8回に1死二塁を招き降板。2番手松永が勝ち越された。7回1/3、7安打2失点。好投も黒星が付いた。

 自身3年連続8度目の大役だった。現役最多の開幕戦5勝を誇る。「特別な緊張はなかった」と慣れたもの。援護がない中、表情を変えずに抑える、らしさ全開だった。

 惜敗に、伊東監督は「ある程度、予想どおりの展開。涌井は一生懸命投げて、十分な仕事をした」とねぎらった。練習前には選手を集め“結束”を訴え、1人1人とハグして送り出した。涌井は降板の場面に触れ「走者一塁なら松永も楽に投げられた」と自分を責めた。負けても、結束が伝わってきた。【古川真弥】