オリックスは延長11回の熱戦に競り負けた。開幕戦6連敗は屈辱の球団ワースト。それでも京セラドーム大阪で最大席数と同数の3万6154人の観衆は、今年の猛牛はひと味違うと感じたはずだ。敗色ムードを盛り返し、中盤から4点差を追いついた。「よく粘った。こういう野球ができていれば大丈夫じゃないか」。福良監督も前向きなコメントを残した。

 5回に代打伊藤と安達の適時打で1点差に。7回はT-岡田が代わったばかりの楽天左腕浜矢から同点ソロを放った。右翼5階席へ推定130弾。先発の右腕美馬と対戦した2打席とは構えが変わった。両手を離したバスター気味の打法。オープン戦の対左投手は26打数4安打の1割5分4厘。「やっぱり勝ちきらないといけない。でもああいう打ち方ができたのは自信になる」。自分なりに考えた対応策が、自身初の開幕戦アーチにつながった。

 開幕投手の金子が制球を乱して4失点。守備も3回に2失策など課題を突きつけられた。それでも昨季の総得点が12球団ワーストだった打線が粘りを発揮した。延長11回にドラフト8位ルーキー沢田がペゲーロに決勝2ランを被弾も、悲観する内容ではない。糧にして、これからの長丁場を戦い抜く。【大池和幸】

 ▼オリックスは延長11回から登板した新人の沢田が敗戦投手。2リーグ制後、開幕戦で新人の敗戦投手は50年成田(国鉄)62年城之内(巨人)13年則本(楽天)に次いで4人目だが、過去の3人は先発した開幕投手。リリーフで敗戦投手になった新人は初めて。